Core Concepts
本研究は、入力飽和を考慮した非線形システムに対して、性能関数の減衰率を自己調整的に設計することで、高速な定常状態収束と性能関数の違反を回避することを目的としている。
Abstract
本研究では、非線形システムの性能を向上させるための自己調整型の所定の性能制御手法を提案している。従来の所定の性能制御手法では、性能関数の減衰率を設計者が事前に決定する必要があり、これが閉ループシステムの収束時間に直接影響を及ぼす。しかし、収束時間を加速するために大きな減衰率を選択すると、実際の入力飽和を考慮した場合、閉ループシステムの不安定化につながる可能性がある。
本研究では、性能指標関数を導入し、これに基づいて性能関数の減衰率を自己調整的に設計することで、より高速な定常状態収束を達成しつつ、性能関数の違反を回避することを可能にしている。具体的には以下の特徴を有する:
性能関数の初期値を事前に指定する必要がなく、任意の大きさの初期誤差に対応可能。
入力飽和を考慮し、必要に応じて性能関数の減衰率を低下させることで性能関数の違反を回避できる一方で、入力容量に余裕がある場合は減衰率を増大させて収束を加速できる。
数値シミュレーションにより、提案手法の有効性と優位性を確認している。
Stats
入力飽和がある場合、従来手法では大きな初期誤差に対して性能関数の違反を回避できないが、提案手法では任意の初期誤差に対応可能である。
提案手法では、同じ初期誤差条件でも収束時間が短縮できる。
Quotes
"本研究は、入力飽和を考慮した非線形システムに対して、性能関数の減衰率を自己調整的に設計することで、高速な定常状態収束と性能関数の違反を回避することを目的としている。"
"提案手法では、性能関数の初期値を事前に指定する必要がなく、任意の大きさの初期誤差に対応可能である。"
"提案手法では、入力飽和を考慮し、必要に応じて性能関数の減衰率を低下させることで性能関数の違反を回避できる一方で、入力容量に余裕がある場合は減衰率を増大させて収束を加速できる。"