Core Concepts
時間遅延制御は、観測器ベースの状態フィードバック制御よりも、非共同配置型の低減衰振動系に対して実用的な代替手段となる。また、振動周波数の適応的な推定を用いることで、システムパラメータの事前知識を必要としない。
Abstract
本論文では、非共同配置型の4次系振動システムの制御について検討している。まず、観測器ベースの状態フィードバック制御の実用的な問題点を示す。具体的には、センサノイズと制御入力の制約により、理論的に安定化できる設計でも実用的に不可能となることを明らかにする。
その後、時間遅延制御が非共同配置型振動系に対する適切な堅牢な代替手段であることを示す。時間遅延制御は、構造と設計が単純であるという利点がある。さらに、振動周波数の堅牢な推定手法を拡張し、バイアスキャンセルを行うことで、システムパラメータの事前知識を必要としない適応型の時間遅延制御を実現する。
実験的な評価では、操作範囲と制御入力の制約のある振動系に対して、提案手法の有効性を示している。特に、外乱に対する堅牢性や、オンラインでの振動周波数推定の収束性を確認している。
Stats
実験システムのパラメータ: m = 0.5 kg, M = 0.3 kg, k = 266.66 N/m, ζ = 0.012, σ = 333.35 N/(m/s)
共振周波数: ω0 = 16.4 rad/s
減衰比: δ = 0.031
Quotes
"時間遅延制御は、構造と設計が単純であるという利点がある。"
"システムパラメータの事前知識を必要としない適応型の時間遅延制御を実現する。"