Core Concepts
ブンブンバチは糸引き課題において、連続した糸を選好的に引くが、これは手段-目的理解というよりは、視覚的な特徴の一致に基づく単純な連合学習によるものである。
Abstract
本研究では、ブンブンバチの糸引き行動を調べ、手段-目的理解の有無を明らかにすることを目的とした。
実験1では、糸引き経験のないブンブンバチは、連続した糸と断続した糸を区別できないことが示された。これは、ブンブンバチに自発的な手段-目的理解がないことを示唆する。
実験2-3では、糸引き経験のあるブンブンバチは、連続した糸を選好的に引くことが明らかになった。実験4-5では、糸の色を変えても同様の選好が見られ、ブンブンバチが視覚的特徴の一般化を行っていることが示された。
実験6では、糸と報酬の間に遮蔽物を置いても、ブンブンバチは連続した糸を選好したことから、ブンブンバチは視覚的な特徴の一致に基づいて課題を解決していることが示唆された。
実験7-8では、訓練時と異なる形状の糸を提示したところ、ブンブンバチは連続した糸を選好しなくなった。これは、ブンブンバチが単に糸と報酬の結びつきを学習しているだけで、手段-目的理解には至っていないことを示唆する。
以上の結果から、ブンブンバチの糸引き行動は手段-目的理解というよりも、視覚的特徴の一致に基づく単純な連合学習によるものであると考えられる。
Stats
糸引き経験のあるブンブンバチは、連続した糸を76±4%選好した。
連続した糸を引く時間は94.67±13.19秒、断続した糸を引く時間は13.61±4.59秒であった。
青い糸を訓練した個体の初回選択までの潜時は684.33±105.45秒と、白い糸を訓練した個体に比べて長かった。
Quotes
"ブンブンバチは、手段-目的理解というよりも、視覚的特徴の一致に基づく単純な連合学習によって糸引き課題を解決している。"
"ブンブンバチは、糸と報酬の結びつきを学習しているだけで、手段-目的理解には至っていない。"