Core Concepts
血液中のDNAメチル化パターンを分析することで、1型糖尿病患者の腎不全リスクを高精度に予測できる。
Abstract
本研究では、1型糖尿病患者277名を7~20年間追跡し、腎不全発症との関連が見られるDNAメチル化部位を特定した。その結果、17のCpGサイトのDNAメチル化パターンが腎不全リスクと独立して関連していることが明らかになった。これらのCpGサイトのメチル化状態は時間とともに安定しており、別のコホートでも検証されている。
さらに、これらのCpGサイトのメチル化状態と関連する遺伝的変異や、腎不全関連の血中タンパク質・microRNAも同定された。これらの知見を組み合わせて作成した予測モデルは、従来の臨床モデルよりも高い精度(c-statistic = 0.93)で腎不全リスクを予測できることが示された。
この成果は、1型糖尿病患者の腎不全発症を早期に予測し、予防につなげるための非侵襲的バイオマーカーとして活用できる可能性がある。
Stats
対象患者277名のうち51%が追跡期間中に腎不全を発症した
17のCpGサイトのDNAメチル化パターンが腎不全リスクと関連
これらCpGサイトのメチル化状態は4.7年間安定していた
7つのCpGサイトのメチル化と7つの遺伝子領域の変異が関連
CpGサイトのメチル化変化は腎不全関連タンパク質・microRNAを介して部分的に影響
Quotes
"DNAメチル化の変化を利用することで、1型糖尿病患者の腎不全リスクを非侵襲的に予測し、早期発見と予防につなげられる可能性がある"