Core Concepts
生後60日以内の無熱の乳児における膿疱や水疱の症例では、ヘルペスウイルス感染症を除けば、生命を脅かす重篤な感染症のリスクは低い。
Abstract
本研究は、2013年9月から2019年8月の間に6つの米国の大学病院で小児皮膚科の診察を受けた生後60日以内の乳児879例を対象に行われた。そのうち183例の無熱の乳児が膿疱、水疱、水疱性病変を呈していた。
感染症検査として、血液培養、尿培養、髄液検査、ヘルペスウイルス検査が行われた。
結果として、髄液や血液培養からは病原性細菌は検出されなかった。122例(66.6%)では非感染性の原因が診断され、71例(38.8%)で感染性の原因が診断された。
ヘルペスウイルス感染症は127例中9例(7.1%)に認められ、そのうち7例(5.5%)が皮膚・眼・口腔病変を示す限局型で、2例(1.6%)が全身型であった。全身型は在胎32週未満の早産児に認められた。
一方、侵襲性真菌感染症は在胎28週未満の早産児5例(2.7%)に診断された。
32週未満の早産児では、生命を脅かす重篤な感染症のリスクが有意に高かった。
本研究の結果から、生後60日以内の無熱の乳児における膿疱や水疱の症例では、ヘルペスウイルス感染症を除けば、重篤な細菌感染症のリスクは低いと考えられる。ただし、早産児では侵襲性真菌感染症のリスクが高いため、慎重な評価が必要である。
Stats
183例中122例(66.6%)で非感染性の原因が診断された
183例中71例(38.8%)で感染性の原因が診断された
127例中9例(7.1%)がヘルペスウイルス感染症であり、そのうち7例(5.5%)が限局型、2例(1.6%)が全身型
在胎28週未満の早産児5例(2.7%)に侵襲性真菌感染症が診断された
在胎32週未満の早産児では、重篤な感染症のリスクが有意に高かった
Quotes
"Full-term, well-appearing, afebrile infants ≤ 60 days of age presenting with pustules or vesicles may not require full SBI [serious bacterial infection] work-up, although larger studies are needed"
"Testing for HSV is recommended in all infants with vesicles, grouped pustules, or pustules accompanied by punched out or grouped erosions, and preterm infants should be assessed for disseminated fungal infection and HSV in the setting of fluid-filled skin lesions"