認知症と誤診された肝性脳症の13%が治療可能な状態

Core Concepts

認知症と診断された患者の13%が実際は肝性脳症であり、FIB-4スコアを用いた検査で早期発見と治療が可能である。

Abstract

この研究は、2009年から2019年の間に認知症と診断された68,807人の一般患者を対象としたものです。その結果、約13%の患者がFIB-4スコアから肝硬変と潜在的な肝性脳症が示唆されることが明らかになりました。

これは、以前の研究で認知症と診断された米国退役軍人の約10%が実際は肝性脳症であったことを裏付けるものです。研究者は、肝硬変や関連する脳合併症が一般的で無症状であるが、発見されれば治療可能であることを認識する必要があると指摘しています。

肝硬変は肝がんなどの合併症のリスクも高めるため、認知症との関連性に関わらず、すべての患者で診断することが重要です。研究では、FIB-4スコアが2.67以上または3.25以上の患者が多数いることが明らかになりました。これらのスコアは高度の肝硬変を強く示唆するものです。

高FIB-4スコアは、ウイルス性肝炎、うっ血性心不全、HIV、男性、アルコール使用障害、慢性腎臓病と関連していましたが、白人と糖尿病とは逆相関していました。

研究者は次の課題として、FIB-4の活用に関する医療従事者の障壁を調査する予定です。認知症患者のスクリーニングにFIB-4を組み入れることで、肝硬変や肝性脳症の診断率を大幅に高められると期待されています。

Stats

平均FIB-4スコアは1.78
FIB-4スコア>2.67の患者は12.8%
FIB-4スコア>3.25の患者は7.6%
FIB-4スコア>3.25は、ウイルス性肝炎(OR 2.23)、うっ血性心不全(OR 1.73)、HIV(OR 1.72)、男性(OR 1.42)、アルコール使用障害(OR 1.39)、慢性腎臓病(OR 1.38)と関連
FIB-4スコア>3.25は、白人(OR 0.76)、糖尿病(OR 0.82)と逆相関

Quotes

"我々は、肝硬変や関連する脳合併症が一般的で無症状であるが、発見されれば治療可能であることを認識する必要がある。"
"肝硬変は肝がんなどの合併症のリスクも高めるため、認知症との関連性に関わらず、すべての患者で診断することが重要である。"

Key Insights Distilled From

Treatable Condition Misdiagnosed as Dementia in 13% of Cases

by Marilynn Lar... at www.medscape.com 07-23-2024

https://www.medscape.com/viewarticle/treatable-condition-misdiagnosed-dementia-almost-13-cases-2024a1000dif

Deeper Inquiries

認知症と診断された患者の中で、実際に肝性脳症であった割合はどの程度変化してきたのだろうか

認知症と診断された患者の中で、実際に肝性脳症であった割合はどの程度変化してきたのだろうか。
この研究では、2009年から2019年までに認知症と診断された68,000人以上の患者を対象に調査が行われました。その結果、約13%の患者がFIB-4スコアが高く、肝硬変や肝性脳症の可能性が示唆されました。これは以前の研究で示された米国の退役軍人の10%に肝性脳症が見られるという結果を裏付けるものでした。したがって、認知症と診断された患者の中には、実際には肝性脳症を発症している可能性があることが明らかになりました。

FIB-4スコアが高い患者に対する治療介入は、認知機能の改善にどの程度効果があるのだろうか

FIB-4スコアが高い患者に対する治療介入は、認知機能の改善にどの程度効果があるのだろうか。
FIB-4スコアが高い患者に対する治療介入は、認知機能の改善に重要な影響を与える可能性があります。肝性脳症は、肝硬変などの肝臓の合併症によって引き起こされる症状であり、早期発見されれば治療可能です。したがって、認知症と診断された患者においてFIB-4指数を使用して肝硬変をスクリーニングすることは、認知機能の改善につながる可能性があります。肝性脳症の治療には、肝硬変の管理や原因となる要因の特定が含まれるため、早期診断と介入が重要です。

認知症と肝性脳症の鑑別診断において、他にどのような検査や指標が有効であるか検討の余地はないだろうか

認知症と肝性脳症の鑑別診断において、他にどのような検査や指標が有効であるか検討の余地はないだろうか。
認知症と肝性脳症の鑑別診断において、FIB-4指数の他にも有用な検査や指標が存在します。例えば、肝臓機能検査（ALT、ASTなど）、血小板数、ウイルス性肝炎や心不全などの合併症の検査、および患者の病歴や症状の詳細な評価が重要です。また、MRIやCTスキャンなどの画像診断法や脳波検査なども、認知症と肝性脳症の鑑別診断に役立つ可能性があります。総合的なアプローチを取り、患者の症状や検査結果を総合的に評価することが、正確な診断と適切な治療のために重要です。