Core Concepts
VASARI-auto は、グリオーマ MRI の高効率な自動特徴量抽出ツールであり、患者の年齢や性別に関わらず公平な性能を示し、コスト面でも有利であり、患者生存予測の精度も高い。
Abstract
本研究では、グリオーマ MRI データ 1,172 例を用いて、VASARI-auto と呼ばれる自動 VASARI 特徴量抽出ソフトウェアを開発した。VASARI-auto は、オープンソースの病変マスクや自社開発の腫瘍セグメンテーションモデルを入力として使用する。
並行して、2 人の専門医が 100 例のグリオブラストーマ症例の VASARI 特徴量を手動で評価し、その所要時間を計測した。その結果、VASARI-auto は以下のような特徴を示した:
腫瘍セグメンテーションの性能は最先端レベルであり、患者の年齢や性別に関わらず公平であった。
VASARI 特徴量の評価では、専門医間の一致度は中程度であったが、VASARI-auto と専門医の一致度も同程度であった。一方、VASARI-auto 間の一致度は非常に高かった。
VASARI 特徴量の抽出に要する時間は、専門医が 5.28 分に対し、VASARI-auto は 3 秒と大幅に短かった。
英国の全ネuro腫瘍センターを対象とした分析では、3 年間の VASARI 特徴量抽出に専門医を使うと約 29,777 時間、150 万ポンド(190 万ドル)かかるのに対し、VASARI-autoを使うと 332 時間、147 ポンドで済む試算結果が得られた。
患者生存予測モデルでは、VASARI-autoの特徴量を使った場合の精度(R2 0.25)が、専門医の特徴量を使った場合(R2 0.21)よりも高かった。
以上より、VASARI-autoは高効率で公平な自動特徴量抽出ツールであり、コスト面でも有利で、患者予後予測の精度も高いことが示された。今後、このようなツールを臨床現場に統合していくことで、患者ケアの向上が期待できる。
Stats
専門医による VASARI 特徴量抽出の所要時間は平均 317.46 秒(約 5.28 分)
VASARI-autoによる VASARI 特徴量抽出の所要時間は平均 3.03 秒
VASARI-autoと TumourSegを組み合わせた場合の所要時間は平均 15.47 秒
英国全ネuro腫瘍センターでの3年間の VASARI 特徴量抽出に要する専門医の総労働時間は 29,777.39 時間
同期間のVASARI-autoによる VASARI 特徴量抽出の総電力コストは約 146 ポンド
Quotes
"VASARI-autoは高効率で公平な自動特徴量抽出ツールであり、コスト面でも有利で、患者予後予測の精度も高い。"
"今後、このようなツールを臨床現場に統合していくことで、患者ケアの向上が期待できる。"