Core Concepts
カナダの大腸がん検診プログラムは地域によって大きな差があり、IARC基準を完全に満たしていない。プログラム間の連携や患者への多様な情報提供などの改善が必要である。
Abstract
カナダの大腸がん検診プログラムは各州や準州で運営されており、サービス提供や品質保証の面で地域差が大きい。
3つのプログラムでは受診勧奨の通知を送付していない。通知に便潜血検査キットを同封していないプログラムも4つある。これらの取り組みは世界的に推奨されており、受診率向上に関連している。
10の州と2つの準州からデータが提出されたが、どのプログラムもIARC基準の「組織的な検診プログラム」の全ての条件を満たしていない。
情報システムと品質保証の面で最も大きな地域差がある。データ収集の詳細度や追跡管理の程度に違いがある。
確立したプログラムと新しいプログラムの連携、患者への多様な情報提供チャンネルの活用などが提案されている。
大腸がん検診の有効性は疑う余地がないが、受診率の最大化と精密検査の確実な実施が重要である。これらの目標を達成するには組織的なプログラムが不可欠である。
Stats
大腸がん検診プログラムを持たないヌナブト準州を除く、10の州と2つの準州からデータが提出された。
最初の大腸がん検診プログラムは2007年にアルバータ州、マニトバ州、オンタリオ州で開始された。他の州は2009年から2017年にかけて開始し、ノースウェスト準州は2020年に開始した。
Quotes
"各州や準州が独自の大腸がん検診プログラムを運営しているため、居住地によってカナダ人の検診体験に差が生じる可能性がある。"
"標準化された基準を使ってこれらのプログラムの質を評価することは非常に重要である。これにより差異を理解し、必要に応じて個々のプログラムの改善につなげることができる。"
"大腸がん検診の恩恵(がん発症率の短期的な減少や死亡率の長期的な減少、高度がん治療コストの削減など)は疑う余地がない。しかし、最大限の恩恵を得るためには、適格者全員に検診を提供し、陽性者の精密検査受診を確実にするシステムが必要である。"