Core Concepts
ヒドロキシクロロキンを服用する高齢患者は、この薬物による網膜障害のリスクが高い。体重当たりの投与量が高い、累積投与量が高い以外にも、女性、慢性腎臓病ステージ3、タモキシフェンの使用が網膜症のリスク要因である。
Abstract
この研究は、ヒドロキシクロロキン(HCQ)投与に関連する網膜症のリスク要因を明らかにしたものである。
主な結果は以下の通り:
- 4,677人のHCQ服用患者を調査した結果、125人(2.7%)が網膜症を発症した。
- 累積HCQ投与量が多いほど、網膜症のリスクが高くなった。100gの累積投与量増加につき、リスクが64%上昇した。
- 65歳以上で投与を開始した患者は、45歳未満の患者に比べ、網膜症のリスクが約6倍高かった。
- 女性、慢性腎臓病ステージ3、タモキシフェン使用も網膜症のリスク要因であった。
- アジア人とアフリカ系アメリカ人は、白人に比べ、中心窩外型の特殊な網膜症パターンを発症しやすい傾向があった。
これらの知見は、ヒドロキシクロロキンの使用に際して、患者個人の特性に応じた投与量設定の重要性を示唆している。ガイドラインの一律の基準ではなく、個別のリスク-ベネフィット評価が必要であると考えられる。
Stats
4,677人のHCQ服用患者のうち、125人(2.7%)が網膜症を発症した。
100gのHCQ累積投与量増加につき、網膜症のリスクが64%上昇した。
65歳以上で投与を開始した患者は、45歳未満の患者に比べ、網膜症のリスクが約6倍高かった。
女性は男性に比べ、網膜症のリスクが3.83倍高かった。
慢性腎臓病ステージ3の患者は、そうでない患者に比べ、網膜症のリスクが1.95倍高かった。
タモキシフェン使用患者は、非使用患者に比べ、網膜症のリスクが3.43倍高かった。
Quotes
"ガイドラインは単なるガイドラインであり、治療計画は各患者に合わせて調整されるべきである。"
"最低有効用量を使用し、高用量期間を最小限に抑えることが重要だが、これらの疾患を適切に管理することも重要である。網膜症のリスクを認識しつつ、この非常に有効な薬物の使用を制限するべきではない。"