Core Concepts
小児特発性関節炎患者の顎関節障害を早期に診断し、適切な治療につなげるためのAIモデルを提案する。
Abstract
本研究では、小児特発性関節炎(JIA)患者の顎関節(TMJ)障害を検出するための説明可能なAIモデルを提案している。
データは1035人の小児JIA患者(女性67%、男性33%)の6154件の臨床検査記録から構成されている。患者の症状、薬物使用、全身の関節炎の程度、TMJ障害の有無、および臨床所見が記録されている。
提案モデルはRandomForestアルゴリズムを使用した分類モデルで、患者の初回検査から2年以内にTMJ障害の有無を予測することができる。その際の精度は0.86、感度は0.7であった。これは従来の臨床検査単独での診断精度よりも大幅に向上している。
また、SHAPを用いた説明可能性の分析により、開口量、非対称性、側方運動範囲などの臨床所見が予測に重要な役割を果たしていることが示された。
本モデルは、小児JIA患者の早期TMJ障害診断を支援し、適切な治療につなげる可能性を示している。早期発見と適切な管理は、患児の身体的・心理的な影響を軽減し、予後の改善につながると期待される。
Stats
患者の初回検査から2年以内にTMJ障害を予測できる精度は0.86、感度は0.7である。