Core Concepts
炎症性腸疾患患者にFMTを行う際、ドナーの食事を事前に調整することと、患者自身が健康的な食事を続けることで、より良好な腸内細菌叢の変化が得られる。
Abstract
この研究は、炎症性腸疾患(UC)患者を対象に、FMTとダイエット療法の相乗効果を検討したものです。
研究方法:
UCの既存治療に抵抗性を示す成人患者を対象に、FMTのみを受けた群(11名)と、FMTに加えて食事療法(UC除外食)を行った群(10名)を比較した。
ドナーは7名で、14日間の食事調整後にFMTを行った。
患者はFMT当日と2日後、14日後に投与を受けた。食事療法群は12週間にわたってUC除外食を続けた。
腸内細菌叢の変化はメタゲノム解析で評価した。
研究結果:
FMTとUC除外食を受けた群では、ドナーの腸内細菌叢に近づく変化が見られた。一方FMTのみの群では、そのような変化は観察されなかった。
FMTとUC除外食により、非活動性UCと関連するEubacterium sp. AF22-8LBが増加し、糞便カルプロテクチン値と逆相関した。
FMTとUC除外食は、腸管の健全性維持に関わる代謝経路の増強も示した。
結論:
FMTと食事療法を組み合わせることで、UCの治療に有望な相乗効果が得られる可能性が示された。今後、さらなる検証が必要とされる。
Stats
FMTのみの群と比べ、FMTとUC除外食を受けた群では、ドナーの腸内細菌叢に近づく変化が見られた。
FMTとUC除外食により、非活動性UCと関連するEubacterium sp. AF22-8LBが増加し、糞便カルプロテクチン値と逆相関した。
FMTとUC除外食は、腸管の健全性維持に関わる代謝経路の増強も示した。
Quotes
「FMTと食事療法の組み合わせがUCの治療に有効である可能性を、さらに探求する必要がある」