Core Concepts
注意機構を組み込んだ深層学習モデルを用いることで、重症患者の生体徴候予測の解釈性を高めることができる。
Abstract
本研究では、重症患者の生体徴候予測における解釈性の向上を目的として、注意機構を組み込んだ深層学習モデルを提案した。
具体的には、N-HITSやN-BEATSといった黒箱型の時系列予測モデルに注意機構を追加することで、予測プロセスの解釈性を高めた。
eICU-CRDデータセットを用いた実験の結果、注意機構を組み込んだモデルは従来の深層学習モデルと同等の予測精度を維持しつつ、予測に寄与する過去の時系列データを可視化できることが示された。
これにより、医療現場での臨床判断支援に役立つと考えられる。
特に、N-HITSモデルは予測精度が高く、予測に重要な時間ステップを明確に示すことができた。一方、N-BEATSモデルは予測結果の変動が大きく、注意機構の視覚化からも予測に必要な情報を十分に捉えられていないことが明らかになった。
以上より、注意機構を組み込んだ深層学習モデルは重症患者の生体徴候予測において有用であり、特にN-HITSモデルが優れた性能を示すことが分かった。
Stats
平均血圧(MBP)予測のMSEは1.846e-4、DTWは1.87e-3
心拍数(HR)予測のMSEは7.37e-4、DTWは1.312e-2