陽性便検査後の内視鏡検査医の質が重要である

Core Concepts

陽性便検査後の内視鏡検査において、内視鏡検査医の腺腫検出率と有意な serrated ポリープ検出率が高いほど、偽陰性の内視鏡検査が少ないことが示された。

Abstract

本研究は、陽性便検査(多重ターゲットDNA検査およびFIT検査)を受けた患者の内視鏡検査データを分析したものである。
内視鏡検査医の腺腫検出率(ADR)と有意な serrated ポリープ検出率(CSSDR)を4つの四分位に分けて比較したところ、ADRおよびCSSRが高い内視鏡検査医ほど、陽性便検査後の内視鏡検査で腺腫や serrated ポリープの検出率が高かった。
特に上位2四分位の内視鏡検査医では、陽性便検査後の内視鏡検査で偽陰性が有意に少なかった。
研究者らは、陽性便検査後の内視鏡検査における新たな質的指標として、腺腫検出率40%(目標60%)、serrated ポリープ検出率20%(目標30%)を提案している。

Stats

多重ターゲットDNA検査陽性後の内視鏡検査で、上位四分位の内視鏡検査医では腺腫検出率が62.8%、最下位四分位では48.7%であった。(p<0.001)
多重ターゲットDNA検査陽性後の内視鏡検査で、上位四分位の内視鏡検査医ではserrated ポリープ検出率が66.7%、最下位四分位では46.9%であった。(p<0.001)
FIT検査陽性後の内視鏡検査で、上位四分位の内視鏡検査医では腺腫検出率が63.3%、最下位四分位では35.8%であった。(p<0.001)
FIT検査陽性後の内視鏡検査で、上位四分位の内視鏡検査医ではserrated ポリープ検出率が54.6%、最下位四分位では37.3%であった。(p<0.001)

Quotes

「上位四分位の内視鏡検査医では、多重ターゲットDNA検査陽性後の内視鏡検査でserrated ポリープが29.2%、FIT検査陽性後では13.5%検出された」
「内視鏡検査医の質的指標として、多重ターゲットDNA検査または FIT検査陽性後の腺腫検出率40%(目標60%)、多重ターゲットDNA検査陽性後のserrated ポリープ検出率20%(目標30%)、FIT検査陽性後のserrated ポリープ検出率15%を提案する」

Key Insights Distilled From

Endoscopist Quality Matters After Positive Stool Test

by Megan Brooks at www.medscape.com 05-14-2024

https://www.medscape.com/viewarticle/endoscopist-quality-matters-after-positive-stool-test-2024a100093u

Deeper Inquiries

内視鏡検査医の質的指標を用いた教育プログラムを実施した場合、便検査陽性後の内視鏡検査の精度がどのように変化するか。

上記の研究によると、内視鏡検査医のアデノーマ検出率（ADR）や臨床的に重要な鋸歯状ポリープ検出率（CSSDR）が高いほど、便検査陽性後の内視鏡検査での誤検査（false-negative）が少なくなる傾向があると示唆されています。したがって、内視鏡検査医の質的指標を向上させる教育プログラムを実施することで、便検査陽性後の内視鏡検査の精度が向上する可能性があります。

内視鏡検査医の質的指標は、便検査の種類や地域性によって異なる可能性はないか。

内視鏡検査医の質的指標は、便検査の種類や地域性によって異なる可能性があるかもしれません。この研究は、ニューハンプシャー州の比較的人種的に均質な集団を対象として行われたため、一般化可能性に影響を与える可能性があります。そのため、他の地域や人種集団での検証が必要とされています。

内視鏡検査医の質的指標以外に、便検査陽性後の内視鏡検査の精度に影響する要因はないか。

内視鏡検査医の質的指標以外にも、便検査陽性後の内視鏡検査の精度に影響する要因がいくつかあります。例えば、患者の腸の清掃状態や内視鏡検査の技術、検査装置の品質などが挙げられます。これらの要因も内視鏡検査の結果に影響を与えるため、総合的な内視鏡検査の質を向上させるためには、これらの要因も考慮する必要があります。