Core Concepts
電子健康記録システムに組み込まれたアルゴリズムに基づくリスク評価により、肺炎やUTIの患者における不適切な広域スペクトル抗菌薬の処方が大幅に減少した。
Abstract
この研究は、電子健康記録システムに組み込まれたアルゴリズムに基づくリスク評価が、肺炎やUTIの患者における不適切な広域スペクトル抗菌薬の処方を大幅に削減できることを示した。
研究では、全国59の病院の20万人以上の成人患者を対象に、2017年4月から18か月間の基準期間と、2019年4月から15か月間の介入期間を比較した。介入群では、入院72時間以内に広域スペクトル抗菌薬が処方された場合、電子カルテ上にプロンプトが表示され、多剤耐性菌のリスクが10%未満の場合は標準スペクトルの抗菌薬を推奨した。
その結果、UTIの患者では17.4%、肺炎の患者では28.4%の広域スペクトル抗菌薬の処方率が減少した。安全性の指標である集中治療室への転科日数にも差はなかった。研究者は、このプロンプトが主要な要因だったと考えている。
医療従事者は適切な抗菌薬使用を心がけているが、簡単に実践できる仕組みが必要だった。本研究の電子カルテシステムのプロンプトは、医療従事者の意思決定を支援し、抗菌薬適正使用を促進する有効な手段であることが示された。今後、このツールをさらに精緻化していくことが期待される。
Stats
UTI患者における広域スペクトル抗菌薬の処方率が17.4%減少した。
肺炎患者における広域スペクトル抗菌薬の処方率が28.4%減少した。
UTI患者の集中治療室への転科日数は、介入群が6.6日、対照群が7.0日だった。
肺炎患者の集中治療室への転科日数は、介入群が7.1日、対照群が6.5日だった。
Quotes
"医療従事者は適切な抗菌薬使用を心がけているが、簡単に実践できる仕組みが必要だった。"
"このプロンプトは医療従事者の意思決定を支援し、抗菌薬適正使用を促進する有効な手段である。"