アルツハイマー病および関連疾患の異質性を特徴付けるための電子カルテデータの活用

Core Concepts

電子カルテデータの構造化データと非構造化データを活用し、アルツハイマー病および関連疾患の患者集団における臨床的サブタイプを特定した。

Abstract

本研究では、アルツハイマー病および関連疾患の患者集団における臨床的サブタイプを特定することを目的とした。
まず、患者の診断コード(ICD)データと診療記録のテキストデータを用いて、それぞれ独立したクラスタリング分析を行った。
ICD コードデータのクラスタリングでは以下の3つのサブタイプが特定された:

慢性疼痛と2型糖尿病が特徴的なサブタイプ
神経変性疾患が主体のサブタイプ
心血管疾患や加齢に関連した疾患が特徴的なサブタイプ

診療記録のテキストデータのクラスタリングでは以下の3つのサブタイプが特定された:

正常圧水頭症とレビー小体病が特徴的なサブタイプ
老年期痴呆と高血圧が特徴的なサブタイプ
神経精神症状を伴う神経変性疾患が特徴的なサブタイプ

これらのサブタイプは、既存の研究で報告されているサブタイプとも概ね一致しており、アルツハイマー病および関連疾患の臨床的異質性を反映していると考えられる。
今後、これらのサブタイプに基づいて、疾患の病態や治療反応性の違いを明らかにしていくことが期待される。

Stats

アルツハイマー病の有病率は全体で45.9%であった。
慢性疼痛/2型糖尿病サブタイプでは、慢性疼痛関連の診断コードが3-6倍高頻度であり、2型糖尿病の有病率も20%と高かった。
心血管疾患/加齢サブタイプでは、高血圧、高脂血症、不整脈などの診断コードが高頻度であった。

Quotes

なし

Key Insights Distilled From

Leveraging Pre-trained and Transformer-derived Embeddings from EHRs to Characterize Heterogeneity Across Alzheimer's Disease and Related Dementias

by Matthew West... at arxiv.org 04-02-2024

https://arxiv.org/pdf/2404.00464.pdf

Deeper Inquiries

アルツハイマー病以外の関連疾患(前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症など)の病態生理学的特徴とサブタイプの関連について、さらに詳細な検討が必要である。

アルツハイマー病以外の関連疾患には、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などが含まれます。これらの疾患はそれぞれ異なる病態生理学的特徴を持ち、特定のサブタイプに関連しています。例えば、前頭側頭型認知症は主に前頭葉と側頭葉の変化に関連し、行動や言語の問題が顕著です。一方、レビー小体型認知症はレビー小体と呼ばれる異常なタンパク質の蓄積に特徴付けられ、視覚的幻覚や運動症状が見られます。血管性認知症は脳血管障害によって引き起こされ、脳梗塞や微小血管障害が関連しています。これらの疾患の病態生理学的特徴とサブタイプの関連をさらに詳細に検討することは、個々の疾患の理解を深め、適切な治療法やケアプランの開発につながる重要な一歩となります。