Core Concepts
医薬品推奨システムの公平性を高めるため、希少疾患患者の予測精度を向上させる新しいモデルを提案する。
Abstract
本研究は、医薬品推奨システムの公平性を高めることを目的としている。従来の手法では、一般的な疾患を持つ患者に比べ、希少疾患を持つ患者への推奨精度が低いという問題があった。
本研究では、Robust and Accurate REcommendations for Medication (RAREMed)と呼ばれる新しいモデルを提案している。RAREMedは、プリトレーニングを活用することで、希少疾患患者の表現を強化し、推奨精度の向上を図る。具体的には以下の2つの工夫を行っている:
疾患コードと処置コードを統一的に扱うエンコーダーを導入し、両者の複雑な関係性をモデル化する。
2つのセルフ教師あり事前学習タスク(Sequence Matching Prediction、Self Reconstruction)を設計し、希少疾患患者の特徴的な医薬品ニーズや疾患・処置・医薬品の関係性を学習する。
実験の結果、RAREMedは一般的な疾患患者だけでなく希少疾患患者に対しても高精度な医薬品推奨を行うことができ、医薬品推奨システムの公平性を大幅に改善できることが示された。
Stats
一般的な疾患と希少疾患の発生頻度には大きな差があり、一般的な疾患は高頻度で、希少疾患は低頻度である。
MIMIC-IVデータセットでは、疾患コードの発生頻度の最も低い患者群(G5)と最も高い患者群(G1)のJaccardスコアの差が大きい。