Core Concepts
本研究では、条件付き拡散モデルを用いて腹部リンパ節の合成を行い、その合成データを利用して腹部リンパ節の分割精度を向上させる。
Abstract
本研究では、腹部リンパ節の分割精度向上のために、条件付き拡散モデルを用いた腹部リンパ節の合成手法を提案している。
まず、腹部リンパ節の合成モデルであるLN-DDPMを開発した。LN-DDPMは、リンパ節マスクと解剖学的構造マスクを条件として利用し、大域的な構造条件付けと局所的な詳細条件付けの2つの条件付け機構を用いている。これにより、リンパ節とその周辺の解剖学的構造を正確に捉えることができる。
次に、LN-DDPMで生成した合成データを用いて、nnU-Netモデルによる腹部リンパ節の分割を行った。実験の結果、LN-DDPMは他の手法と比べて優れた腹部リンパ節の合成性能と分割精度を示した。特に、合成データのみを用いた場合でも、実データを用いた場合と同等の分割精度を達成できることが示された。
以上より、本研究で提案したLN-DDPMは、限られた実データを有効活用し、腹部リンパ節の分割精度を向上させることができる手法であることが示された。
Stats
腹部リンパ節の分割では、DSCが0.5376、IOUが0.3958、Recallが0.5830、Precisionが0.5547、ASSが8.8986 mmを達成した。
合成データと実データを併用した場合、DSCが0.5655、IOUが0.4200、Recallが0.5591、Precisionが0.6451、ASSが7.1851 mmを達成した。