Core Concepts
心電図単一誘導信号を用いて、ビジョントランスフォーマーとResNetモデルを開発し、心房細動、洞性徐脈、洞性調律の識別に成功した。これらのモデルは、心電図波形の特徴的な領域を明示することで、分類結果の解釈性を高めている。
Abstract
本研究は、単一誘導心電図信号を用いて心房細動の自動検出を行う際の解釈可能なアプローチを提案している。Chapman-Shaoxing データセットを使用し、ビジョントランスフォーマー(ViT)モデルとResNetモデルを開発した。
ViTモデルは、心電図信号を画像パッチに分割し、パッチ埋め込みと位置埋め込みを学習する。これらの埋め込みを入力として、トランスフォーマーエンコーダを通過させ、最終的に分類を行う。一方、ResNetモデルは、従来の畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャを使用している。
これらのモデルは、心電図信号の特徴的な領域、特に P波とT波、さらには心拍持続時間や振幅が、正常洞調律と心房細動、洞性徐脈の識別に重要な役割を果たすことを示している。ViTモデルは、注意ヒートマップを通じて、分類に寄与する心電図波形の領域を明示することができる。一方、ResNetモデルはGrad-CAMヒートマップを用いて同様の可視化を行う。
両モデルの結果は整合的であり、ViTモデルはResNetモデルに比べて計算効率が高いという利点がある。これにより、ウェアラブルデバイスなどのエッジデバイスでの実時間推論に適している。
Stats
心房細動(AFIB)の患者数は1654人、RRR区間数は11310個
洞性徐脈(SB)の患者数は3765人、RRR区間数は14635個
正常洞調律(SR)の患者数は1789人、RRR区間数は9642個
Quotes
"心電図単一誘導信号を用いた自動心房細動検出は、ウェアラブルデバイスによる遠隔患者モニタリングに有用である可能性がある。"
"ビジョントランスフォーマーモデルは、大規模データセットを前提として開発されたため、本研究で使用したデータセットの規模では、ResNetモデルに劣る性能となった。しかし、計算効率の高さから、エッジデバイスでの実時間推論に適している。"
"P波とT波、心拍持続時間、振幅が、正常洞調律と心房細動、洞性徐脈の識別に重要な役割を果たすことが示された。"