Core Concepts
CT画像と血管造影CT画像を用いた深層学習モデルにより、機械的血栓除去術後の再開通スコアを高精度に予測できる。
Abstract
本研究では、急性虚血性脳卒中患者に対する機械的血栓除去術の再開通スコア(mTICI)を、術前のCT画像とCTA画像を用いた深層学習モデルにより自動的に予測する手法を提案した。
具体的には以下の通りである:
2012年から2019年の間に機械的血栓除去術を受けた177名の患者データを使用した。
CT画像とCTA画像をスライス単位の入力とし、近傍スライスの情報を活用するResNet34ベースのブランチネットワークを構築した。
さらに、空間的注意機構(SAT)と交差注意機構(CAT)を導入し、病変部位の特徴を効果的に抽出できるようにした。
提案モデル(SCANet)は、既存の完全自動予測モデルや部分自動予測モデルと比較して、ROC-AUCが77.32%と高い精度を達成した。
本研究の成果は、機械的血栓除去術の適応判断に有用な情報を提供できる可能性がある。今後は、より大規模なデータセットでの検証や、長期予後との相関分析などが期待される。
Stats
機械的血栓除去術後の再開通スコア(mTICI)が2c以上の割合は82.5%であった。
Quotes
「機械的血栓除去術の再開通成功率を事前に予測できれば、治療方針の決定に役立つ」
「深層学習モデルは、CT画像とCTA画像から有用な特徴を自動的に抽出し、再開通スコアを高精度に予測できる」