Core Concepts
本研究では、深層学習DenseNetアーキテクチャを用いて、鼻咽頭の生検組織画像から正常、鼻咽頭炎、鼻咽頭がんを分類することを目的とする。
Abstract
本研究は、鼻咽頭がん(NPC)の分類に関する初期的な取り組みである。NPC は東南アジアに多く見られる希少な癌であり、早期発見が困難なため、デジタルパソロジーとコンピューター支援手法の活用が期待されている。
本研究では以下の手順で進めた:
病理医による組織画像の注釈付け(正常、NPI、NPCの3クラス)
注釈付けされた組織画像からパッチ画像を抽出し、データセットを構築
DenseNet-21モデルを用いて、2つのテストシナリオ(Proof of Concept、Real-Test)で分類精度を評価
Proof of Conceptテストでは、NPC分類精度が94.8%と高かったが、Real-Testでは67.0%と低下した。これは、Real-Testデータセットに含まれる正常クラスの注釈が一致していないことが影響していると考えられる。
今後は、より多くの症例を用いた学習と評価、ハイパーパラメータの調整、データ拡張などの取り組みが必要である。また、病理医との緊密な連携により、正確な注釈データの収集が重要である。
Stats
正常クラスの500パッチ中、467パッチが正しく分類された(精度93.4%)。
NPI(鼻咽頭炎)クラスは100%の精度を達成した。
NPCクラスは500パッチ中494パッチが正しく分類された(精度94.8%)。