無申告グルココルチコイド含有サプリメントによる副腎障害の危険性

Core Concepts

無申告のグルココルチコイドを含む市販の関節炎サプリメントの使用は、医原性の副腎機能障害、クッシング症候群、および/または副腎不全を引き起こす可能性がある。

Abstract

この報告では、2022年から2023年にかけて、都市部の安全網病院の内分泌外来で12例の症例が確認された。患者の平均年齢は52歳で、3分の1が女性であった。全ての患者が関節痛のためにこれらのサプリメントの使用を開始していた。使用期間の中央値は約6か月であった。
主な症状には、悪心/嘔吐(42%)、倦怠感(42%)、腹痛(33%)、めまい(17%)などが見られた。身体所見では、満月様顔貌(66%)、体幹肥満(66%)、腹部stretch marks(50%)、後頚部脂肪垂(33%)、bruising(33%)などが認められた。3例は集中治療を要した。
11例で cortisol検査が行われ、1例のみ正常(≥16 μg/dL)であった。3例で副腎不全(≤3 μg/dL)、残りの7例は判断困難な結果であった。その7例中4例がコシンテロピン負荷試験で副腎不全(60分値<16 μg/dL)、2例は軽度低下(18.2-18.4 μg/dL)を示した。
10例で副腎クリーゼを避けるため、ほとんどが1-2年後も副腎皮質ステロイドの漸減投与を継続していた。

Stats

患者の平均年齢は52歳
3分の1が女性
使用期間の中央値は約6か月
主な症状:悪心/嘔吐(42%)、倦怠感(42%)、腹痛(33%)、めまい(17%)
身体所見:満月様顔貌(66%)、体幹肥満(66%)、腹部stretch marks(50%)、後頚部脂肪垂(33%)、bruising(33%)
3例が集中治療を要した
11例中1例のみ cortisol正常(≥16 μg/dL)
3例で副腎不全(≤3 μg/dL)
7例中4例がコシンテロピン負荷試験で副腎不全(60分値<16 μg/dL)
10例で副腎皮質ステロイドの漸減投与を継続

Quotes

"我々が発見したのは、Artri Kingやその他の市販の関節炎サプリメントを服用していた患者の多くが、丸顔や腹部のストレッチマークなどのクッシング様の身体所見を示し始めたということです。"
"これらのサプリメントを突然中止すると、時に生命を脅かす可能性のある副腎不全の徴候や症状が現れることがあります。"
"これらの製品には隠されたグルココルチコイドが含まれているため、コルチゾル測定では検出されず、ACTH抑制と自身のコルチゾル産生低下を引き起こします。クッシング様の所見がありながら、ホルモン値は検出されないのです。"

Key Insights Distilled From

Over-the-Counter Arthritis Supplements Pose Adrenal Danger

by Miriam E. Tu... at www.medscape.com 06-06-2024

https://www.medscape.com/viewarticle/over-counter-arthritis-supplements-pose-adrenal-danger-2024a1000amy

Deeper Inquiries

サプリメントの成分表示の改善と、医療従事者による注意深い確認が重要だと考えられる。一方で、患者側の意識改革も必要ではないか。

これらのサプリメントに含まれる隠されたグルココルチコイドのリスクを考えると、サプリメントの成分表示の改善と医療従事者による慎重な確認が非常に重要です。しかし、患者側も自身が摂取するサプリメントについてより意識的になる必要があります。特に関節痛などの症状でサプリメントを摂取する際には、医師に相談し、適切な製品を選択することが重要です。患者が自身の健康について積極的に情報を収集し、医療チームと協力して適切な治療法を見つける意識改革が必要です。

サプリメントが市場に出回る背景にはどのような要因があるのだろうか。規制当局の対応はどうあるべきか。

これらのサプリメントが市場に出回る背景には、規制の緩さや監視体制の不十分さなどが考えられます。一部のサプリメントは成分表示に偽りがあり、それが患者の健康リスクを高めています。規制当局は、サプリメント業界に対してより厳格な監視と規制を行うべきです。成分表示の改善や製品の安全性確保に向けた取り組みが必要です。

グルココルチコイド含有サプリメントの使用が広がる背景にある社会的・経済的要因は何か。医療アクセスの問題など、より根本的な課題への示唆はないだろうか。

グルココルチコイド含有サプリメントの広まりには、社会的・経済的要因も影響しています。特に医療アクセスの問題や適切な医療情報へのアクセスの制約がある地域では、患者が自己判断でサプリメントを摂取するケースが増える可能性があります。このような課題に対処するためには、医療サービスの普及や適切な情報提供が必要です。また、患者教育や健康啓発活動を通じて、サプリメントのリスクについての認識を高める取り組みも重要です。