Core Concepts
抗スパイクIgG誘発性の過剰炎症は、SYKおよびPI3Kの阻害剤によって特異的に抑制できる。SYK阻害剤のentospletinibが最も有望な候補薬であり、抗スパイクIgG誘発性の内皮障害や血栓形成も抑制する。さらに、entospletinibは懸念される変異株によって誘発される炎症も抑制する。
Abstract
本研究では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質特異的IgG抗体が重症COVID-19の病態形成に重要な役割を果たすことを示してきた。この抗スパイクIgG誘発性の過剰炎症は、FcγR受容体の過剰活性化に依存しており、SYKおよびPI3Kシグナル伝達経路の阻害によって抑制できることが明らかになった。
特に、SYK阻害剤のentospletinibが最も有望な候補薬であることが示された。entospletinibは、抗スパイクIgG誘発性の炎症反応を特異的に抑制し、同時に抗ウイルス免疫応答は保持できる。さらに、entospletinibは抗スパイクIgG誘発性の内皮障害や血栓形成も抑制することが明らかになった。
興味深いことに、entospletinibは懸念される変異株によって誘発される炎症反応も抑制できることが示された。これらの結果から、entospletinibは重症COVID-19の治療に有望な薬剤候補であると考えられる。
Stats
抗スパイクIgG誘発性のIL-6産生に対するdexamethasoneのIC50は3.6 nMであった。
抗スパイクIgG誘発性のIL-6産生に対するR406のIC50は78.5 nMであった。
抗スパイクIgG誘発性のIL-6産生に対するentospletinibのIC50は45.6 nMであった。
Quotes
"抗スパイクIgG誘発性の過剰炎症は、SYKおよびPI3Kの阻害によって特異的に抑制できる。"
"SYK阻害剤のentospletinibが最も有望な候補薬であり、抗スパイクIgG誘発性の内皮障害や血栓形成も抑制する。"
"entospletinibは懸念される変異株によって誘発される炎症も抑制する。"