Core Concepts
参加型予算編成では、投票方式の選択が重要である。K-承認投票、K-順位付け投票、ナップサック投票の3つの主要な投票方式は、有権者の選好表現と予算配分に異なる影響を及ぼす。
Abstract
本論文は、参加型予算編成における3つの主要な投票方式の特徴と影響を分析している。
K-承認投票: 有権者は最大K件の事業を承認する。直感的だが、事業の費用を考慮できない。
K-順位付け投票: 有権者は最大K件の事業を順位付けする。より詳細な選好を表現できるが、完全な順位付けは負担が大きい。
ナップサック投票: 有権者は予算の範囲内で事業を選択する。最も自然な予算配分を行えるが、紙ベースでは実装が難しい。
データ分析の結果:
有権者の投票行動は、投票方式の違いによって大きく異なる。K-承認投票では、より高額な事業が選択される傾向がある。
順位付け投票から推定したナップサック投票は、実際のナップサック投票とほぼ同等の結果を示す。
投票方式の違いによる投票時間や放棄率の差は小さい。ただし、ナップサック投票では時間がかかり、放棄率も高い傾向がある。
Stats
有権者は、K-承認投票よりもナップサック投票で、より低コストの事業を選択する傾向がある。
有権者1人当たりの投票時間の中央値は、ナップサック投票で最も長く、順位付け投票で最も短い。
投票の放棄率は、ナップサック投票で最も高い。
Quotes
"参加型予算編成では、投票方式の選択が重要である。"
"K-承認投票では、より高額な事業が選択される傾向がある。"
"順位付け投票から推定したナップサック投票は、実際のナップサック投票とほぼ同等の結果を示す。"