Core Concepts
本研究では、不飽和土壌流れと植物根の水分吸収を考慮した結合数値モデルを提案した。リチャーズ方程式と異なる根水分吸収モデルを用いて、根域における土壌水分動態を解析した。メッシュレスのLRBF手法を用いて、非線形の支配方程式を効率的に解いた。
Abstract
本研究では、不飽和土壌流れと植物根の水分吸収を考慮した結合数値モデルを提案した。リチャーズ方程式を基礎方程式とし、根水分吸収を表す項を組み込んだ。根水分吸収モデルとして、ステップ関数型と指数関数型の2つのモデルを検討した。また、ガードナーモデルを用いて毛管圧と透水係数の関係を表現した。
提案した数値モデルを解くために、メッシュレスのLRBF (Localized Radial Basis Function)手法を用いた。LRBF手法は、メッシュ生成を必要とせず、複雑な幾何学形状にも適用可能な高精度で計算効率の良い手法である。また、疎行列システムを生成するため、ill-conditioningの問題を回避できる。
数値実験では、解析解や実験データと比較することで提案手法の妥当性を検証した。1次元、2次元、3次元の土壌水分動態を再現し、根域における土壌水分分布を精度良く予測できることを示した。特に、根水分吸収の影響を適切に捉えることができた。
Stats
根域における土壌水分分布の予測精度は高く、根水分吸収の影響を適切に表現できている。
根水分吸収の大きい場合、根域の土壌水分は根水分吸収のない場合に比べて30時間早く定常状態に達する。
根水分吸収の小さい場合、根域の土壌水分分布は根水分吸収の有無でほとんど変わらない。
Quotes
"本研究では、不飽和土壌流れと植物根の水分吸収を考慮した結合数値モデルを提案した。"
"LRBF手法は、メッシュ生成を必要とせず、複雑な幾何学形状にも適用可能な高精度で計算効率の良い手法である。"
"提案手法は、根域における土壌水分分布を精度良く予測できることを示した。"