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40万コアを使った1キロメートルレベルの結合モデリング:8年間にわたるモデル開発の歴史


Core Concepts
40万コアの異種アーキテクチャスーパーコンピューターにCESM 2.2を移植し、5kmの大気、3kmの海洋の結合モデルを実現した。
Abstract
本研究では、CESM 2.2を40万コアのSunwayスーパーコンピューターに移植し、5kmの大気、3kmの海洋の結合モデルを実現した。 まず、階層的なグリッドシステムを採用し、OpenMPオフロードツールキットを開発することで、コードの80%以上をポーティングおよび並列化した。さらに、初期化段階の通信パターンを再設計し、I/Oの最適化を行うことで、初期化時間を大幅に短縮した。 最終的に、大気340 SDPD、海洋265 SDPD、結合モデル222 SDPDの性能を達成し、長期の超高解像度気候モデリングを可能にした。また、階層的なグリッド解像度を活用し、熱帯低気圧や中小規模の海洋渦などの詳細なプロセスを解像することができた。
Stats
大気モデル(CAM)の5kmグリッドでは340 SDPDの性能を達成した 海洋モデル(POP)の3kmグリッドでは265 SDPDの性能を達成した 結合モデルでは222 SDPDの性能を達成した
Quotes
"我々は非侵襲的ながらも効率的なワークフローを形成し、3週間でCESM 2.2を40万コアの異種アーキテクチャスーパーコンピューターにポーティングした。" "最終的に、大気340 SDPD、海洋265 SDPD、結合モデル222 SDPDの性能を達成し、長期の超高解像度気候モデリングを可能にした。"

Deeper Inquiries

階層的グリッドシステムを採用することで、どのような新しい科学的洞察が得られる可能性があるか

階層的グリッドシステムを採用することで、新しい科学的洞察が得られる可能性があります。例えば、大気と海洋のコンポーネントの解像度を段階的に変化させることで、異なる空間スケールでの気候プロセスの相互作用や影響を詳細に理解することができます。このような階層的なグリッドシステムにより、異なる解像度でのモデル間の比較や相互作用を通じて、気候変動や気候システムの複雑なダイナミクスに関する新たな洞察が可能となります。さらに、より高い解像度でのモデリングによって、局所的な気象現象や海洋循環の微視的な特性をより詳細に捉えることができるでしょう。

本研究で開発したOpenMPオフロードツールキットは、他の気候モデルやシミュレーションコードにも適用できるか

本研究で開発したOpenMPオフロードツールキットは、他の気候モデルやシミュレーションコードにも適用可能です。このツールキットは、GNU OpenMPランタイムライブラリとSunwayのAthreadライブラリを結びつけるプロキシツールとして機能し、異種多コアアーキテクチャにおける並列化を容易にします。他の気候モデルやシミュレーションコードでも、同様のアプローチを取ることで、異種多コアプロセッサを効果的に活用し、性能向上を実現することが可能です。さらに、ツールキットの柔軟性と汎用性により、他の科学分野や高性能コンピューティングアプリケーションにも適用できる可能性があります。

本研究の手法を応用して、さらに高解像度の気候モデリング(例えば1kmグリッド)を実現することは可能か

本研究の手法を応用して、さらに高解像度の気候モデリング(例えば1kmグリッド)を実現することは可能です。階層的なグリッドシステムやOpenMPオフロードツールキットを活用することで、より高い解像度での気候モデルを構築し、複雑な気象現象や海洋循環の微視的な特性を詳細に捉えることができます。さらに、初期化段階の最適化や大規模ランの実行における効率的な並列化手法を適用することで、高解像度モデルにおける性能向上と科学的洞察の拡大が可能となります。このような取り組みによって、より詳細な気候モデリングや予測が実現され、気候科学のさらなる発展に貢献することが期待されます。
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