Core Concepts
SciCapenterは、最先端のAI技術を活用して科学論文の図表キャプションの作成を支援するシステムである。機械生成されたキャプションと評価を提示し、ユーザーが直接編集してフィードバックを得ながら、効果的なキャプションを作成できるようサポートする。
Abstract
本論文は、科学論文の図表キャプション作成を支援するSciCapenterシステムを紹介している。
まず、SciCapenterの主な機能は以下の通りである:
- PDFファイルをアップロードすると、論文中の図表とその現在のキャプションを自動抽出する
- 各図表について、機械生成された2種類のキャプション(長めと短め)を提示する
- キャプションの質を評価し、ヘルプフルさ、OCR参照、キーメッセージ、視覚的特徴の観点から分析結果を表示する
- ユーザーは直接キャプションを編集でき、再評価を受けて、反復的に改善できる
次に、15名のSTEM分野のPhD学生を対象とした利用者調査の結果は以下の通りである:
- SciCapenterの使用により、キャプション作成の認知負荷が大幅に軽減された、特に時間制限下で顕著
- 機械生成されたキャプションよりも、評価やチェックリストなどの分析情報の方が有用だと評価された
- ユーザーは具体的な改善提案やテンプレートを求めており、今後の改善点として示された
最後に、SciCapenterの限界と今後の展望について述べている。本システムは論文執筆者の支援を目的としているが、実際の自身の論文ではなく他者の論文を対象としたため、実用性に一定の制約がある。今後は、ユーザーの実際の論文執筆時の利用を想定した評価が必要だと指摘している。
Stats
論文の図表キャプションの半数以上が、PhDの学生から「役に立たない」と評価されていた。
SciCapenterの使用により、時間制限下でのメンタルデマンドが2.93から2.16に、フラストレーションが2.73から1.67に大幅に低下した。
Quotes
「チェックテーブルは本当に役立つ。キャプションに足りない情報を知ることができる。」(P4)
「生成されたキャプションは正確ではなく、時には奇妙なことを書いている。」(P8)
「長いキャプションと短いキャプションは良くなかった。」(P10)