Core Concepts
心臓超音波検査の複数の画像から大動脈弁狭窄症の重症度を自動的に診断する新しい深層学習アプローチを提案する。
Abstract
本研究では、心臓超音波検査の複数の画像から大動脈弁狭窄症の重症度を自動的に診断する新しい深層学習アプローチを提案している。
主な内容は以下の通り:
多重インスタンス学習(MIL)を用いて、心臓超音波検査の複数の画像から1つの診断結果を出力する。
教師付き注意機構を導入し、大動脈弁を含む関連画像に注目するよう学習を行う。これにより、従来のMILアプローチよりも高精度な診断が可能となる。
心臓全体の表現を学習するための新しい自己教師あり事前学習手法を提案する。これにより、個々の画像の表現を学習する従来手法よりも優れた性能が得られる。
提案手法は、オープンデータセットTMED-2を用いた評価で、既存手法を大きく上回る診断精度を示す。さらに、2022年の新しい患者データでも良好な性能を発揮する。
提案手法は、大動脈弁狭窄症の自動スクリーニングに有効であり、臨床現場での活用が期待される。
Stats
大動脈弁狭窄症は12.6百万人以上の成人に影響し、年間10.27万人の死亡を引き起こす重大な疾患である。
心臓超音波検査の1件あたりの画像数は通常27-97枚と多数に及ぶ。
大動脈弁を含む関連画像のみが大動脈弁狭窄症の診断に重要である。
Quotes
"大動脈弁狭窄症は進行性の変性弁疾患であり、線維化と石灰化の変化により心臓弁の閉鎖障害を引き起こし、適切に治療されない場合は致死的となる可能性がある。"
"心臓超音波検査の自動スクリーニングは、現在の聴診に頼る診断アプローチを補完し、多くの症例を見逃している可能性がある。"