Core Concepts
本研究では、ネマチック液晶のLandau-de Gennesのq-テンソル理論をモデル化するための3つの新しい効率的な線形数値スキームを提案する。第1のスキームは、エネルギーの打ち切り手順に基づいた無条件にエネルギー安定な1次精度のデカップルドスキームである。第2のスキームは、2次精度の最適散逸アルゴリズムを使用した結合スキームである。第3のスキームは、第2のスキームからの未知数をデカップルする新しいアイデアを使用し、計算効率を向上させながら正確な動力学を得ることができる。
Abstract
本研究では、ネマチック液晶のLandau-de Gennesのq-テンソル理論をモデル化するための3つの新しい効率的な線形数値スキームを提案している。
第1のスキーム(UES1D)は、エネルギーの打ち切り手順に基づいた無条件にエネルギー安定な1次精度のデカップルドスキームである。このスキームでは、ポテンシャル関数Ψ(Q)を3つの項に分割し、それぞれの項に対して異なる近似を行うことで、未知数をデカップルしている。これにより、計算コストを大幅に削減できる。また、このスキームは無条件にエネルギー安定であることが示されている。
第2のスキーム(OD2C)は、2次精度の最適散逸アルゴリズムを使用した結合スキームである。このスキームでは、ψ(Q)の各項に対してOD2近似を適用することで、2次精度の数値スキームを構築している。ただし、ポテンシャル関数の2階微分が有界でないため、エネルギー安定性は保証されない。
第3のスキーム(OD1D)は、第2のスキームの未知数をデカップルする新しいアイデアを使用したものである。具体的には、4階テンソルの近似に下三角行列を用いることで、未知数の計算を順次行うことができる。これにより、計算効率が向上する一方で、エネルギー安定性は保証されない。
これらの3つのスキームは、ネマチック液晶のq-テンソルモデルの数値シミュレーションにおいて、精度、効率、および現実的な動力学の表現能力の観点から比較検討されている。