Core Concepts
本研究では、非局所Cahn-Hilliard方程式の数値解法として、有限体積法に基づく新しい数値スキームを提案する。このスキームは、解の解析的境界を保存し、かつエネルギー安定性を有する。
Abstract
本論文では、非局所Cahn-Hilliard方程式の数値解法について検討している。
まず、方程式の仮定と離散化について説明する。空間は2次元正方格子で周期境界条件を課し、時間積分には保存性と境界保存性を持つ有限体積法を用いる。
次に、提案する数値スキームの主要な性質を示す。
質量保存性: 各時間ステップで質量が保存される。
解の境界保持性: 解の値は常に解析的境界[-1,1]の範囲内に保たれる。
エネルギー安定性: 擬似エネルギー汎関数が各時間ステップで減少する。
最後に、Flory-Huggins自由エネルギーポテンシャルとGinzburg-Landau双安定ポテンシャルを用いた数値シミュレーションを行い、理論的結果を確認している。相分離過程の時間発展と自由エネルギーの減少が確認できる。
Stats
相分離過程の数値シミュレーションにおいて、最大値|ρ|が常に1以下に保たれている。