Core Concepts
本研究では、不飽和多孔質媒体中の浸透流と溶質輸送を記述する連成システムを解くための二次精度の時間離散化手法を提案し、その精度、効率、信頼性を分析する。
Abstract
本研究では、不飽和流れを表すリチャーズ方程式と溶質輸送を表す移流分散方程式からなる連成システムを対象とする。リチャーズ方程式は混合形式で表され、有限要素法により空間離散化される。時間離散化には、陰的な二次精度スキームであるBDF2、SBDF2、CN2、および半陰的な二次精度スキームであるSILF2を提案する。
BDF2とSBDF2は反復的な解法を必要とするが、SILF2は線形化された系を解くことで反復を回避できる。数値実験では、ガードナーモデルとVan Genuuchtenモデルを用いた均質および不均質な媒体を考慮し、解の精度、効率、信頼性を評価する。SILF2は最適な安定化パラメータを用いることで、高い精度と効率を示す。特に、計算時間の大幅な短縮が得られる。
Stats
リチャーズ方程式の混合形式:
∂θ/∂t = ∇・[KsKr∇(Ψ + z)]
移流分散方程式:
∂(θc)/∂t - ∇・[θD∇c - cq] = 0
ガードナーモデルの飽和度と相対透水係数:
S = exp(αvΨ)
Kr = exp(αvΨ)
Van Genuuchtenモデルの飽和度と相対透水係数:
S = (1 + (αv|Ψ|)nv)-mv
Kr = S1/2(1 - (1 - S1/mv)mv)2
Quotes
"本研究では、不飽和流れを表すリチャーズ方程式と溶質輸送を表す移流分散方程式からなる連成システムを対象とする。"
"SILF2は最適な安定化パラメータを用いることで、高い精度と効率を示す。特に、計算時間の大幅な短縮が得られる。"