Core Concepts
本論文では、多変数関数の値とその偏微分情報を用いて、多変数多項式近似を行う新しい手法を提案する。G-直交化を用いることで、特定の応用に応じた内積を定義し、良条件な最小二乗問題を解くことで、目的の多変数多項式近似とその偏微分を正確に計算できる。得られた多変数多項式は明示的な漸化式を持つG直交多項式基底で表現されるため、新しい点での関数値や偏微分の効率的な評価が可能となる。
Abstract
本論文では、多変数関数の近似に関する新しい手法を提案している。
まず、多変数多項式空間Pd,tol
nの基底として、グレブレックス順序に従う多変数単項式基底{ϕi}g
i=1を考える。この基底関数は、ある添字siと次元uiを持つ関係ϕi = xuiϕsiを満たす。この関係から、基底関数の偏微分の計算式(2.4)が導かれる。
次に、与えられた節点集合Xにおける多変数収束ファンデルモンド行列V(2)を定義する。V(2)の列ベクトルは、基底関数ϕiとその偏微分の節点Xでの評価値から構成される。
提案手法の核心は、V(2)のG-直交化プロセスである。G-内積を適切に定義することで、良条件な最小二乗問題を構成できる。具体的には、アーノルディ法を用いて、明示的な漸化式を持つG直交多項式基底{ξ(2)
i }g
i=1を構築する(アルゴリズム1)。この基底を用いて多変数多項式近似を行うと、関数値や偏微分の効率的な評価が可能となる。
最後に、提案手法の応用例として、多変数ハーミート最小二乗問題や不定形領域での偏微分方程式の解法を示している。これらの例では、適切なG-内積の定義により、良条件な最小二乗問題を構成できることを示している。
Stats
多変数単項式基底{ϕj}g
j=1の節点Xでの評価値ϕj(X)は、ϕj(X) = [ϕj(x
x
x1), ..., ϕj(x
x
xm)]Tで表される。
多変数収束ファンデルモンド行列V(2)の列ベクトルは、これらの評価値と偏微分の評価値から構成される。