Core Concepts
Runge-Kutta不連続ガーキン法において、最終段階では元の高次多項式を用いつつ、内部段階の演算子の多項式次数を1つ下げても、元の方法と同等の安定性と収束率を維持できる。
Abstract
本論文では、1次元および2次元の線形移流方程式を対象として、任意の高次のRunge-Kutta不連続ガーキン(RKDG)スキームについて、内部段階の演算子の多項式次数を1つ下げたスキーム(sdA-RKDGスキーム)の安定性と最適誤差評価を行っている。
主な結果は以下の通り:
sdA-RKDGスキームの解のL2ノルムは、標準的なRKDGスキームの解のL2ノルムと、減少する跳躍項の和で抑えられることを示した(補題3.8)。これにより、sdA-RKDGスキームは標準的なRKDGスキームと同等の安定性を持つことを証明した(定理3.9)。
新しい射影演算子を構築し、その最適近似性を示すことで、sdA-RKDGスキームの最適誤差評価を導出した(定理4.6, 4.10)。
本研究は、高次のRKDGスキームにおいて、内部段階の演算子の多項式次数を低減することで、効率的な数値スキームを構築できることを理論的に示したものである。提案手法は、不連続ガーキン法以外の空間離散化手法にも適用可能であり、時間依存偏微分方程式の数値解法の発展に寄与すると期待される。
Stats
内部段階の演算子の多項式次数を1つ下げることで、1次元では演算量が75%、2次元では約66.7%に削減できる。
2次元の数値例では、sdA-RKDGスキームの演算コストは標準的なRKDGスキームの70.6%から86.1%の範囲にある。
Quotes
"Runge-Kutta (RK) discontinuous Galerkin (DG) method is a mainstream numerical algorithm for solving hyperbolic equations."
"For an arbitrarily high-order RKDG scheme in Butcher form, as long as we use the P^k approximation in the final stage, even if we drop the k-th order polynomial modes and use the P^(k-1) approximation for the DG operators at all inner RK stages, the resulting numerical method still maintains the same type of stability and convergence rate as those of the original RKDG method."