Core Concepts
自己相似集合の重複を除去することで、オープン集合条件を満たす非重複のグラフ指向構造を得ることができる。
Abstract
本論文では、自己相似集合の重複を除去する手法を提案している。与えられた反復関数システム(IFS)が有限重複型の性質を持つ場合、その自己相似集合Aを、オープン集合条件を満たすグラフ指向構造(GIFS)で表現することができる。
まず、重複グラフを構築し、そこから重複の情報を抽出する。次に、重複を切り取った新しい集合Bkを定義し、それらの集合を表す方程式系を構築する。この方程式系はGIFSの形式を持ち、オープン集合条件を満たす。
この手法により、弱分離条件を満たす自己相似集合を、より構造の明確な非重複のGIFSで表現できる。また、この構造から、ハウスドルフ次元をはじめとする様々な幾何学的・測度論的性質を容易に導出できる。
提案手法は、これまで一次元の例しか扱われていなかった弱分離型自己相似集合の高次元への拡張にも適用可能である。コンピューター実験の結果、中程度の複雑さの二次元例でも良好に機能することが示された。
Stats
自己相似集合Aの相似次元をαとすると、弱分離条件を満たす場合のハウスドルフ次元βは、log σ / -log rで与えられる。ここでσは構造行列の最大固有値、rは相似縮小率である。
Quotes
"弱分離は強分離である"
"有限重複型自己相似集合は、オープン集合条件を満たすグラフ指向構造で表現できる"