Core Concepts
疎行列の対数行列式を効率的に近似するアルゴリズムを提案する。疎近似逆行列を用いて計算コストを削減し、グラフスプラインを使って精度を向上させる。
Abstract
本論文では、大規模な疎正定値行列の対数行列式を効率的に近似するアルゴリズムを提案している。
主な特徴は以下の通り:
疎近似逆行列を用いることで、計算コストを大幅に削減できる。単一の大きな近似逆行列を構築するのではなく、小さな近似逆行列を順次計算し、その傾向を利用して最終的な近似値を定める。
グラフスプラインを使って近似値の精度を向上させる。小さな近似逆行列の計算結果から得られるデータ系列にグラフスプラインをフィットさせることで、より正確な近似値を得ることができる。
疎近似逆行列の構築では、行列の部分集合のみを使えば良いため、メモリ使用量が小さくなる。また、行ごとに並列計算できるため、計算時間も短縮できる。
実験結果では、提案手法がSciPyのSparse-LUアルゴリズムと比べて、計算時間とメモリ使用量の両面で優れた性能を示している。また、グラフスプラインを用いることで、近似精度も大幅に向上することが確認された。
Stats
L(15, 4)行列の対数行列式の近似値:
D1: 102227.3
D2: 101778.7
D3: 101665.4
D4: 101627.3
D5: 101612.3
D6: 101605.9
D7: 101602.8
L(16, 4)行列の対数行列式の近似値:
D1: 132319.1
D2: 131732.7
D3: 131583.8
D4: 131533.3
D5: 131513.4
D6: 131504.7
D7: 131500.6