Core Concepts
ハードウェアベースの真のランダム数生成器(TRNG)から得られるランダムビットストリームを利用して、メッセージを隠蔽する新しい暗号化手法「BARN」を提案する。
Abstract
本論文では、ハードウェアベースの真のランダム数生成器(TRNG)から得られるランダムビットストリームを利用して、メッセージを隠蔽する新しい暗号化手法「BARN」を提案している。
BARN アルゴリズムの概要は以下の通り:
- メッセージMのビットを、ランダムビットストリームPに挿入する。挿入位置は、暗号鍵Kに基づいて決定される。
- 鍵Kは、TRNGから得られたランダムビットから生成される。
- 暗号化されたメッセージは、ランダムビットストリームに埋め込まれるため、統計的にランダムな数列として見える。
- 復号には鍵Kが必要で、対称暗号方式として機能する。
BARN の特徴:
- 計算量が非常に簡単で、暗号化/復号に複雑な演算は不要。
- TRNGに依存するため、暗号解読は事実上不可能に近い。
- 連続的なデータストリームの暗号化が可能。
- 鍵長を長くすることで、セキュリティを大幅に向上できる。
本手法は、IoTデバイスなどの低計算能力デバイスに適しており、ポストクアンタム暗号の代替案としても期待できる。
Stats
メッセージMのビット長をμ、鍵Kの要素数をκとすると、暗号化されたメッセージの長さは、μ + Σ(K)となる。
鍵Kの要素の平均値によって、暗号化後のメッセージ長が1.5倍~8倍に増加する。
256ビットのternary鍵の場合、1秒間に10億回の総当たり攻撃を行っても、584年以上かかる計算量となる。
Quotes
"Any one who considers arithmetical methods of producing random digits is, of course, in a state of sin. For, as has been pointed out several times, there is no such thing as a random number - there are only methods to produce random numbers, and a strict arithmetic procedure of course is not such a method." - John von Neumann