Core Concepts
本論文では、同型暗号の鍵切り替え操作の性能を向上させるために、データフローを徹底的に分析し、最適化する新しいアプローチを提案する。
Abstract
本論文では、同型暗号の鍵切り替え操作の性能を向上させるための新しいアプローチを提案している。
まず、3つの異なるデータフロー、Max-Parallel (MP)、Digit-Centric (DC)、Output-Centric (OC)を提案している。これらのデータフローは、命令のスケジューリングや、ロードおよび生成されたデータの再利用方法が異なる。
分析の結果、OC データフローは、中間データの使用量を大幅に削減することで、オフチップのデータ移動を最小限に抑えることができることを示している。
さらに、評価キー(evk)をオフチップからストリーミングすることで、オンチップメモリを12.25倍削減しつつ、ほとんどパフォーマンスの低下を抑えられることを示している。
また、計算スループットを上げることで、OC データフローの性能がさらに向上することも明らかにしている。
全体として、本論文の提案手法により、同型暗号の鍵切り替え操作の性能を大幅に向上させることができる。
Stats
同型暗号の鍵切り替え操作は全体の実行時間の約70%を占める
鍵切り替え操作には大量のデータ(入力、中間、キー)が必要
OC データフローを使うと、MP データフローに比べて最大4.16倍高速化できる
OC データフローを使うと、オンチップメモリを12.25倍削減でき、バンド幅を3.3倍削減できる
Quotes
"同型暗号(HE)は、暗号化されたデータ上で計算を行うプライバシー保護計算手法である。"
"鍵切り替え操作は、HEの主要な計算ボトルネックの1つであり、全体の実行時間の約70%を占める。"
"OC データフローは、中間データの使用量を大幅に削減することで、オフチップのデータ移動を最小限に抑えることができる。"