Core Concepts
本論文では、調和関数の最大値原理を利用して制御リアプノフバリア関数(CLBF)の性質をエンコードした調和CLBF(harmonic CLBF)を提案する。これにより、サンプル軌道に基づいて学習する必要がなく、数値的に効率的にCLBFを導出できる。調和CLBFを用いることで、安全領域への侵入リスクが大幅に低減され、目標領域への収束確率が高くなることを示す。
Abstract
本論文では、制御リアプノフバリア関数(CLBF)と調和関数の融合を提案している。
まず、CLBFの定義を示し、調和関数の性質を説明する。調和関数は、ラプラス方程式を満たす関数であり、最大値原理を満たすことが知られている。
次に、調和CLBFを定義する。調和CLBFは、ラプラス方程式を境界条件付きで解くことで得られる。調和CLBFは、CLBFの性質(1)-(4)を自動的に満たすことが示される。また、調和CLBFに対する最適制御入力の選択方法も示される。
数値実験では、Roomba、DiffDrive、CarRobotの3つのシステムについて、4つの小さな危険領域と2つの大きな危険領域を含む2つの環境で、調和CLBFと超調和CLBF(∇2V = -6)を用いた結果を報告している。調和CLBFを用いた場合、危険領域への侵入リスクが大幅に低減され、目標領域への収束確率が高くなることが示された。特に、Roombaでは全ての軌道が目標領域に収束し、DiffDriveでも99.5%以上の安全率を達成した。
さらに、2D quadrotorの問題にも適用し、先行研究と比較して高い安全率を示した。
以上より、調和CLBFは制約付き最適制御問題、特にリーチアボイド問題に有効であることが示された。
Stats
安全領域への侵入回数が0回の割合:
Roomba (∇2V = 0, 無ノイズ): 89.5%
Roomba (∇2V = -6, 無ノイズ): 90.9%
DiffDrive (∇2V = 0, 無ノイズ): 94.5%
DiffDrive (∇2V = -6, 無ノイズ): 73.0%
CarRobot (∇2V = 0, 無ノイズ): 80.7%
CarRobot (∇2V = -6, 無ノイズ): 95.3%
2D quadrotorの場合、100%の初期条件で安全領域に収束した。