Core Concepts
本研究では、結晶方位依存の機械特性と腐食電位を考慮した電気化学-機械結合相場モデルを開発し、ポリクリスタル材料の孔食とストレス腐食割れの進展を予測した。
Abstract
本研究では、ポリクリスタル材料の腐食挙動を予測するための電気化学-機械結合相場モデルを開発した。
モデルの特徴は以下の通り:
結晶方位に依存した機械特性と腐食電位を考慮
電気二重層の形成と充電ダイナミクスを新しい境界条件で表現
実験測定値との比較により、モデルパラメータを較正し妥当性を検証
モデルを用いて以下の2つのケーススタディを実施した:
保護膜の局所的破壊によって引き起こされる孔食
平均粒径20、40、60μmのポリクリスタル材料を対象
腐食電位の結晶方位依存性の度合いを変化させて検討
微細組織の影響により、より広範囲の欠陥、より速い欠陥進展、不規則な孔食・き裂形状が予測された
初期欠陥を有する引張負荷下のポリクリスタル材料
孔食からき裂への遷移と、き裂進展を予測
微細組織の影響により、より早期のき裂発生と、より速いき裂進展が予測された
以上より、本モデルは、ポリクリスタル材料の腐食挙動を微細組織の影響を考慮して予測できることが示された。
Stats
腐食電位の結晶方位依存性の最大値ΔEθ
max = 73 mV (vs. SCE)
腐食電位の結晶方位依存性の最大値ΔEθ
max = 36.5 mV (vs. SCE)
印加電位 600 mV (vs. SCE)
印加電位 -479 mV (vs. SCE)