Core Concepts
1気圧下の低温条件でも、液体金属中でダイヤモンド結晶およびポリクリスタルダイヤモンド膜が成長できることを示した。
Abstract
この研究では、従来の高温高圧条件ではなく、1気圧、1025°Cの比較的低温の条件下で、液体金属中にダイヤモンド結晶およびポリクリスタルダイヤモンド膜が成長することを示した。
液体金属は、ガリウム、鉄、ニッケル、シリコンから成る。
メタンの触媒的活性化と液体金属中への炭素原子の拡散によって、液体金属の表層領域で過飽和状態が実現し、ダイヤモンドの核生成と成長が起こる。
シリコンが、四面体結合した炭素クラスターの安定化に重要な役割を果たしている。
低温低圧条件下でのダイヤモンド成長は、基礎研究と実用化への応用に新しい可能性を開く。
Stats
ダイヤモンドは地球上部マントルの金属溶融物中で、900-1400°C、5-6 GPaの条件下で形成される。
ダイヤモンドは、炭素の相図上では高温高圧条件で安定相である。
General Electricは1955年に、約7 GPa、1600°Cの条件下で溶融硫化鉄を用いてダイヤモンドを合成した。
Quotes
「ダイヤモンドは、高圧高温条件でのみ液体金属中で成長できる」という既存のモデルに反して、本研究では1気圧、1025°Cの条件下でも液体金属中でダイヤモンドが成長することを示した。