Core Concepts
有機分子の導入によりペロブスカイトのオクタヘドラル構造を安定化し、高効率で色純度の高い赤色発光ペロブスカイトLEDを実現した。
Abstract
本研究では、ペロブスカイトLED(PeLED)の赤色発光特性の改善に取り組んでいる。ペロブスカイトは溶液プロセスで作製できる高効率な発光材料として注目されているが、特に赤色発光は課題があった。
研究では、有機分子を導入することで、ペロブスカイトのオクタヘドラル構造を安定化することに成功した。この有機分子は、露出したPb2+イオンと配位結合し、ヨウ素との水素結合も形成することで、ペロブスカイト構造を安定化させている。
この構造安定化により、以下の効果が得られた:
発光スペクトルの調整が可能
キャリア輸送が促進
ヨウ素の移動が抑制
その結果、ヨウ素系ペロブスカイトで純粋な赤色発光(638nm)を実現し、外部量子効率28.7%という高性能を達成した。さらに、長期の発光安定性も確保できた。
本研究は、ペロブスカイトLEDの赤色発光特性を大幅に改善した重要な成果であり、フルカラーディスプレイなどへの応用が期待される。
Stats
ペロブスカイトLEDの外部量子効率は28.7%に達した。
発光寿命は7,600分以上と長期安定性に優れている。
Quotes
"有機分子の導入によりペロブスカイトのオクタヘドラル構造を安定化し、高効率で色純度の高い赤色発光を実現した。"
"ペロブスカイトLEDの赤色発光特性を大幅に改善した重要な成果であり、フルカラーディスプレイなどへの応用が期待される。"