Core Concepts
本研究では、13 GHzの高周波無線通信用途に向けた30%スキャンジウム添加アルミニウムナイトライド(ScAlN)過剰モード体積音響共振器(OBAR)のモデリング、製造、実験的特性評価を報告する。
Abstract
本研究では、13 GHzの高周波無線通信用途に向けた30%スキャンジウム添加アルミニウムナイトライド(ScAlN)過剰モード体積音響共振器(OBAR)の開発について述べている。
まず、FEA最適化プロセスにより、電極の厚さを調整することで、電気機械結合係数と音響エネルギー分布のバランスを取り、デバイスの性能指標を向上させている。
実験的には、プラチナ(Pt)を底電極、アルミニウム-シリコン-銅(AlSiCu)を上部電極として使用したデバイスを作製し、13.3 GHzの第2高調波モードにおいて、品質係数210、結合係数5.2%を実現している。これにより、シミュレーションフレームワークの妥当性を実証し、5Gネットワークの高度なRFフィルタへのOBARの実装可能性を示唆している。
最後に、さらなる性能向上に向けた課題について議論している。
Stats
品質係数(Qs)210
結合係数(k2)5.2%
共振周波数13.3 GHz
Quotes
「OBARは、伝統的なFBARに比べて、より高い動作周波数と基板損失の低減を実現しつつ、確立された製造プロセスを維持しているため、商業的な関心を集めている。」
「ScAlNは、優れた圧電係数、高誘電率、低機械コンプライアンスに加え、低誘電損失とCMOS技術との高い両立性を備えているため、5GのRFフィルタなど、多くの商用アプリケーションで急速に地位を確立している。」