Core Concepts
既存のテストタイム適応手法は、未知クラスのサンプルが含まれると既知クラスの分類精度と未知クラスの検出精度の両方が低下する。提案手法は、既知クラスのサンプルとの分布の違いを考慮しつつ、既知クラスのエントロピーを最小化し未知クラスのエントロピーを最大化することで、この問題を解決する。
Abstract
本論文では、テストタイム適応(TTA)の新しい設定であるオープンセットTTAについて取り組んでいる。従来のTTA手法は、主にコバリエイトシフトに焦点を当ててきたが、セマンティックシフトを考慮していなかった。
オープンセットTTAでは、テストデータに未知クラスのサンプルが含まれる可能性がある。既存のTTA手法を適用すると、既知クラスの分類精度と未知クラスの検出精度の両方が低下する。
この原因として、1) 未知クラスのサンプルの存在により正規化統計量の推定が不正確になること、2) 既知クラスと未知クラスの区別が困難になることが挙げられる。
そこで本論文では、分布認識フィルタを用いて既知クラスと未知クラスのサンプルを区別し、既知クラスのエントロピーを最小化し未知クラスのエントロピーを最大化する統一エントロピー最適化(UniEnt)フレームワークを提案する。さらに、ノイズに頑健なUnIEnt+も提案している。
実験の結果、提案手法はCIFAR ベンチマークやTiny-ImageNet-Cデータセットにおいて、既存のTTA手法を大幅に改善できることが示された。
Stats
既知クラスの分類精度は53.25%から59.07%に改善された。
未知クラスの検出精度(AUROC)は65.00%から89.28%に改善された。
Quotes
"既存のTTA手法は、未知クラスのサンプルが含まれると既知クラスの分類精度と未知クラスの検出精度の両方が低下する。"
"提案手法は、既知クラスのサンプルとの分布の違いを考慮しつつ、既知クラスのエントロピーを最小化し未知クラスのエントロピーを最大化することで、この問題を解決する。"