Core Concepts
本研究では、教師あり学習ルール「Stabilized Supervised STDP (S2-STDP)」を提案し、さらにそれを強化する「Paired Competing Neurons (PCN)」アーキテクチャを導入することで、スパイキング型ニューラルネットワークの分類性能を向上させている。
Abstract
本研究では、スパイキング型ニューラルネットワーク(SNN)の分類層の学習に焦点を当てている。従来の教師あり学習ルールであるSSTDPには以下の2つの課題があることを示した:
エポックあたりのSTDP更新回数が限られており、早期収束につながる可能性がある
ニューロンの発火時刻が最大発火時刻に収束してしまい、SNNの表現力が低下する
そこで本研究では以下の2つの手法を提案している:
Stabilized Supervised STDP (S2-STDP): 動的に計算された目標発火時刻を用いて、ニューロンの発火時刻を安定化させる教師あり学習ルール
Paired Competing Neurons (PCN): 各クラスに対応する2つのニューロンを対にし、クラス内競争を促すことで、ニューロンの特化を強化するアーキテクチャ
提案手法を画像認識タスクに適用した結果、従来手法と比較して高い分類精度を達成できることを示した。さらに、提案手法がSSTDPの課題を解決し、ニューロンの発火時刻を安定化させ、クラス識別能力を向上させることを明らかにした。
Stats
最大発火時刻に対する平均発火時刻の比は、SSTDPでは0.98±0.009であったのに対し、S2-STDPでは0.88±0.05に改善された。
S2-STDPでは、エポックあたりの更新率が9%から100%に増加した。
Quotes
"S2-STDPは、ニューロンの発火時刻を安定化させ、クラス識別能力を向上させる。"
"PCNアーキテクチャにより、ニューロンの特化が促進され、目標発火時刻により正確に到達できるようになる。"