Core Concepts
ベイズ予測推論と形式検証手法を組み合わせた枠組みを提案し、スパティオ・テンポラルデータの予測モデルの評価に適用する。
Abstract
本論文では、ベイズ予測推論と形式検証手法を組み合わせた新しい枠組みを提案している。ベイズ予測推論は不確実性を適切に扱うことができ、形式検証手法は複雑な要件を明示的に定義し検証することができる。
具体的には以下の手順で進められている:
ベイズ予測分布を導出し、対数予測密度スコアを用いて従来の予測評価を行う。
空間時間論理(STREL)を用いて、アプリケーションに特化した要件を定式化する。
STREL の検証アルゴリズムを用いて、ベイズ予測分布からの軌跡に対する要件の満足度と頑健性を計算する。
要件の満足度と頑健性を新たな予測評価指標として導入し、モデル比較に活用する。
この枠組みを、ミラノ市の携帯電話トラフィックデータを用いた都市人口密度の予測モデリングに適用している。モデルの比較では、従来の予測密度スコアに加えて、要件に基づく評価指標も用いられている。
Stats
携帯電話トラフィックデータは、ミラノ市内の441の格子状のエリアにおける2013年11月4日から11日までの10分間隔の集計値である。
集計指標は、SMS受信、SMS送信、着信、発信、インターネットトラフィックの5つの指標の合計値を用いている。
中心部の高密度エリアと郊外の低密度エリアが明確に識別できる。
平日と週末で時間帯別のパターンが大きく異なることが確認できる。