本研究では、FlexKalmanNetフレームワークを用いて、宇宙機の姿勢と速度を推定する拡張カルマンフィルタ(EKF)のパラメータを学習する。
FlexKalmanNetは、深層全結合ニューラルネットワーク(DFCNN)とカルマンフィルタバリアントを組み合わせたフレームワークである。DFCNNは、カルマンフィルタのパラメータ(プロセスノイズ共分散行列Qと測定ノイズ共分散行列R)を学習する。一方、カルマンフィルタバリアントは、学習されたパラメータを使って状態推定を行う。
この構造により、FlexKalmanNetは、従来のエンドツーエンドアプローチよりも効率的なデータ処理と、様々なカルマンフィルタバリアントの柔軟な利用を実現する。
NASA Astrobeeシミュレーション環境のデータを用いて、FlexKalmanNetのEKFパラメータ学習を評価した。結果は、手動調整したEKFよりも高精度で、収束も速いことを示した。また、ノイズ耐性や安定性も確認された。
FlexKalmanNet: A Modular AI-Enhanced Kalman Filter Framework Applied to Spacecraft Motion Estimation
Stats
姿勢推定の平均二乗誤差(RMSE)は、qwが0.044、qxが0.046、qyが0.039、qzが0.047
位置推定のRMSEは、rxが0.102、ryが0.103、rzが0.101
角速度推定のRMSEは、wxが0.001 rad/s、wyが0.001 rad/s、wzが0.001 rad/s
並進速度推定のRMSEは、vxが0.002 m/s、vyが0.001 m/s、vzが0.001 m/s