Core Concepts
活性樹状突起を活用することで、時間差発火型ニューラルネットワークの継続学習を効率的に実現できる。
Abstract
本論文では、時間差発火型ニューラルネットワーク(TTFS-SNN)に活性樹状突起を導入することで、継続学習の問題を解決する手法を提案している。
まず、従来のTTFS-SNNでは、新しいタスクを順次学習する際に、過去に学習したタスクを忘却してしまう「catastrophic forgetting」の問題があった。これに対し、活性樹状突起を導入することで、タスクごとに異なるサブネットワークを動的に選択できるようになり、過去の知識を保持しつつ新しいタスクを学習できるようになる。
具体的には、ニューロンの樹状突起に遅延を導入することで、タスクに応じて異なる発火タイミングを実現する。これにより、死滅ニューロンを利用したゲーティング機構が自然と形成され、タスクごとの異なるサブネットワークの選択が可能となる。
提案手法をSplit MNISTデータセットで評価したところ、従来手法に比べて8.7%の精度低下に留まり、継続学習の問題を大幅に改善できることを示した。さらに、Xilinx Zynq-7020 SoC FPGAを用いた実装では、ソフトウェアモデルと完全に一致する結果を得ており、平均推論時間37.3 msを達成した。
Stats
提案手法のSplit MNIST上の最終精度は88.3%
従来手法(順次学習)の最終精度は60.7%
従来手法(混在学習)の最終精度は97.0%
Quotes
"活性樹状突起を活用することで、時間差発火型ニューラルネットワークの継続学習を効率的に実現できる。"
"提案手法をSplit MNISTデータセットで評価したところ、従来手法に比べて8.7%の精度低下に留まり、継続学習の問題を大幅に改善できることを示した。"
"Xilinx Zynq-7020 SoC FPGAを用いた実装では、ソフトウェアモデルと完全に一致する結果を得ており、平均推論時間37.3 msを達成した。"