Core Concepts
自律型無人航空機の航法において、強化学習とフル準同型暗号化を組み合わせることで、プライバシーとセキュリティを確保しつつ、性能を維持する。
Abstract
本研究では、自律型無人航空機(UAV)の航法において、プライバシーとセキュリティを確保するための革新的なアプローチを提案している。具体的には、強化学習(RL)とフル準同型暗号化(FHE)を組み合わせた端末間セキュアな枠組みを開発している。
まず、UAVカメラから取得した実時間ビデオ映像を暗号化した状態で処理できるよう、畳み込みニューラルネットワーク、全結合ニューラルネットワーク、活性化関数、OpenAI GymライブラリなどをFHEドメインに適応させている。これにより、入力データが暗号化された状態のまま推論処理を行うことができる。
実験の結果、提案手法は性能の大幅な低下なくプライバシーとセキュリティを確保できることが示された。ブロック毎の平均絶対誤差(MAE)は非常に小さく、R2スコアも0.9631と高い値を示した。また、各ブロックの処理時間も計測しており、FHEの計算コストが高いことが明らかになった。
本研究は、UAVの航法における即時のプライバシーとセキュリティ上の懸念に対処するだけでなく、機密性が重要視される分野でのUAV展開に向けた新たなパラダイムを切り開くものである。
Stats
UAVカメラから取得した入力画像を暗号化した状態で処理した際の平均絶対誤差(MAE)は以下の通りです:
畳み込みブロック1: 0.0741
畳み込みブロック2: 0.0971
畳み込みブロック3: 0.0626
線形ブロック1: 0.0105
線形ブロック2: 0.0184
線形ブロック3: 0.0098
OpenAI Gymライブラリ: 0.0210
また、各ブロックの推論時間は以下の通りです:
畳み込みブロック1: 9471.27秒
畳み込みブロック2: 280831.67秒
畳み込みブロック3: 716034.24秒
線形ブロック1: 12069.36秒
線形ブロック2: 790.5秒
線形ブロック3: 802.62秒
OpenAI Gymライブラリ: 4754.82秒