Core Concepts
本論文では、部分的に観測されたMcKean-Vlasov確率微分方程式のフィルタリング問題に対して、新しい粒子フィルタと多階層粒子フィルタを提案し、その理論的な性質を明らかにしている。
Abstract
本論文では、部分的に観測されたMcKean-Vlasov確率微分方程式のフィルタリング問題を扱っている。通常のSDE(確率微分方程式)のフィルタリングでさえ数値的に非常に困難であり、McKean-Vlasov SDEの場合はさらに複雑である。
まず、時間離散化を行い、その上で粒子フィルタ(PF)を提案している。PFでは、McKean-Vlasov SDEの周辺分布を近似するためにアルゴリズム1を使用する。これにより、PFの収束性と理論的な性質を示すことができる。
次に、PFをさらに発展させた多階層粒子フィルタ(MLPF)を提案している。MLPFは、PFよりも効率的に誤差を抑えることができる。理論的には、PFの場合はO(ε^-5)、MLPFの場合はO(ε^-4)またはO(ε^-4 log(ε)^2)の計算コストで、ε^2のMSE(平均二乗誤差)を達成できることを示している。
数値実験では、クラメロ-モデルとその変形モデルに対してPFとMLPFを適用し、理論的な結果を確認している。MLPFの方がPFよりも効率的であることが確認された。
Stats
部分的に観測されたMcKean-Vlasov確率微分方程式のフィルタリング問題では、通常のSDE(確率微分方程式)のフィルタリングよりも数値的に非常に困難である。
提案したPFの計算コストはO(ε^-5)、MLPFの計算コストはO(ε^-4)またはO(ε^-4 log(ε)^2)である。
数値実験の結果、MLPFの方がPFよりも効率的であることが確認された。