Core Concepts
重力波検出の高感度化に伴い、検出器に影響を与える一時的なノイズ(グリッチ)の識別が重要になっている。本研究では、グリッチの特徴を時間軸に沿って捉えるための無監督次元削減手法CTSAE を提案し、既存の半教師あり手法を上回る性能を示した。
Abstract
本研究では、重力波検出器LIGOの高感度化に伴い発生するグリッチの識別と分類を目的とした。従来の手法は完全教師あり or 半教師あり学習に依存しており、将来的な補助チャンネルデータの活用には課題があった。
そこで本研究では、時間軸に沿ったグリッチの特徴を捉えるための無監督次元削減手法CTSAE を提案した。CTSAE は4つのブランチからなるオートエンコーダで構成され、CNNとビジョントランスフォーマーを組み合わせることで局所的および大域的な特徴を抽出する。各ブランチ間の情報交換は、共有CLS トークンを用いた新規のフュージョン手法により実現している。
CTSAE をGravitySpy O3 データセットに適用した結果、既存の半教師あり手法を上回るクラスタリング性能を示した。これは、時間軸に沿ったグリッチの特徴を効果的に捉えられたことが要因と考えられる。本手法は、今後の補助チャンネルデータ活用に向けた重要な一歩となる。
Stats
重力波検出器LIGOの高感度化に伴い、一時的なノイズ(グリッチ)が発生し、検出精度に影響を及ぼす。
グリッチの特徴は時間とともに変化するため、4つの時間窓(0.5秒、1.0秒、2.0秒、4.0秒)のスペクトログラムを用いて分析する必要がある。
Quotes
"本研究は、重力波グリッチのクラスタリングに特化した初の無監督学習手法である。"
"提案手法CTSAE は、既存の半教師あり手法を上回るクラスタリング性能を示した。"