Core Concepts
連合学習と表現学習の統合により、個々の組織の知識を共有することなく、既知および未知の異常を効果的に検知できる。
Abstract
本研究では、金融データにおける異常検知の課題に取り組むため、連合学習(Federated Learning)と表現学習の統合アプローチを提案している。
主な内容は以下の通り:
個々の組織が保有するデータを共有することなく、連合学習を用いて異常検知モデルを構築する。これにより、プライバシーと機密性を維持しつつ、組織間の知識を共有できる。
自己符号化器(Autoencoder)を用いた表現学習を連合学習に組み込むことで、既知および未知の異常を効果的に検知できる。自己符号化器によって抽出された潜在表現を異常検知モデルの入力として使用する。
2つの金融データセットと1つの画像データセットを用いて提案手法の有効性を検証した。実験結果から、連合学習を用いたモデルが単独モデルよりも未知の異常を効果的に検知できることが示された。
提案手法は、Random Forest、MLP、DAGMM、MemAEなど、さまざまな異常検知アルゴリズムに適用可能であり、ロバストな性能を発揮する。
潜在表現の可視化から、連合学習モデルが一般化と個別化のバランスを取れていることが確認できた。これにより、既知および未知の異常を効果的に検知できる。
Stats
2019年には、アメリカ国内で約50万件の詐欺関連の苦情が寄せられ、総額35億ドルの損失が発生した。
異常検知は金融詐欺検知に広く利用されており、非常に効果的であることが示されている。
Quotes
"異常検知は金融分野における最も活発な研究分野の1つであり、実世界での利用に向けて多くのアルゴリズムが開発されてきた。"
"動的で未知の異常分布に対応するためには、オープンワールド仮定の下で堅牢な手法が必要とされる。"